『赤毛のアン』の物語は、カナダの架空の村アボンリーにある農家「グリーン・ゲイブルズ(緑の切妻屋根の家)」に暮らす、60代の独身兄妹マシューとマリラ・カスバートの決断から始まります。長編小説全体の流れを「起承転結」の4段階で短く要約すると、以下のようになります。
【起】手違いの出会いと引き取り
農作業を手伝わせるため男の孤児を養子に迎えるはずが、手違いによって痩せっぽちで赤毛の11歳の少女アン・シャーリーが駅に到着します。無口で心優しいマシューは彼女の純真なおしゃべりに魅了され、厳格な妹マリラも一度は孤児院へ送り返そうと考えたものの、アンの境遇を知って引き取ることを決意します。
【承】失敗の連続と周囲との絆
アンは持ち前の激しい気性と豊かな空想力ゆえに、お茶会で親友ダイアナに誤ってお酒を飲ませてしまったり、緑色に髪を染めてしまったりと騒動を連発します。しかし、隣家のダイアナ・バーリーとの「腹心の友」としての友情を深め、村人たちとも心を通わせていきます。一方で、学校で赤毛を「ニンジン」とからかった優等生ギルバート・ブライスを激しく拒絶し、5年間にわたるライバル関係が始まります。
【転】学業での成功と訪れる暗転
成長したアンは猛勉強の末、難関のクイーン学院へトップ合格を果たします。1年間の教員養成課程でも首席となり、大学進学のための奨学金(エイブリー奨学金)を獲得して村の誇りとなります。しかし栄光に包まれて帰郷した直後、全財産を預けていたアビー銀行が破綻したという電報を読んだマシューが、心臓発作で急逝してしまいます。
【結】自立の決断とギルバートとの和解
視力を失いかけていたマリラは、家を維持できずグリーン・ゲイブルズの売却を検討します。アンは大学進学を辞退し、地元アボンリーの学校で教鞭を執りながらマリラと暮らす決意を固めます。その事情を知ったギルバートが自らアボンリー校の教職ポストをアンに譲り、長年のわだかまりが解けて親友としての新たな絆を結びます。アンは「神は天にあり、世はすべてよし」と、曲がり角の先にある未来へ希望を抱くのでした。