下田八幡神社(正式名称:八幡神社)は、鎌倉時代の徳治2年(1307年)に創建されたと伝えられる古社です。御祭神には武勇の神として名高い誉田別命(応神天皇)を祀り、中世には小田原北条氏、江戸時代には下田奉行所や歴代奉行からの崇敬を一身に集めてきました。
下田は風待ち港として栄えた海上交通の要衝であり、航海の無事を祈る船乗りや商人たちの寄進によって社殿が維持されてきた経緯があります。度重なる津波や火災に見舞われながらも、町衆の手によって幾度となく再建を果たしてきた歩みそのものが、下田八幡神社の歴史の重みを物語っています。
境内へ足を運ぶと、まず目を引くのが風格ある石造りの鳥居と、木々に囲まれた社殿です。下田八幡神社の見どころとして外せないのが、江戸期の名残をとどめる精緻な社殿の彫刻や、境内の一角に安置されている「力石(ちからいし)」です。かつて下田港の荷揚げで鍛え上げた若者たちが力比べに用いた大石であり、港町ならではの生活文化の息吹を今に伝えています。
授かる下田八幡神社のご利益は極めて多岐にわたります。主祭神の神格から導かれる「勝運祈願」「厄除開運」はもちろんのこと、港町の鎮守神としての「海上安全」「商売繁盛」、さらには地域コミュニティを結びつけてきた歴史から「家内安全」「所願成就」のご神徳が広く信奉されています。