西洋美術の衝撃と対をなすように、地域ゆかりの作家たちが遺した作品群もまた深い余韻を残す。戦前の前衛絵画を牽引しながら夭折した洋画家・靉光の作品は、孤独と深い精神性が画面全体に澱のように沈殿している。彼が自画像や静物に込めた静かな叫びは、時代を超えて現代人の胸を突く。
一方で、瀬戸内の光と風土に育まれた平山郁夫の作品は、戦後の復興と平和への祈りを静かに語りかけてくる。伝統的な日本画の技法を用いながら、シルクロードの砂漠や仏教的慈愛を壮麗に描き出した大作群。郷土が生んだ巨匠たちの対照的な美学を同じ館内で辿ることで、近代日本の精神史の深層に触れることができる。