夜中に目が覚める「中途覚醒」や、眠りが浅く感じる現象の裏には、深部体温の低下がスムーズに行われていないという生理学的なメカニズムが潜んでいる。人間は睡眠に入る際、手足などの末梢血管から熱を放出し、体内の中心温度を下げようとする。しかし、夜遅くまでパソコンやスマートフォンの画面を注視し続けると、交感神経が優位な状態が持続し、体温下降のプロセスが阻害されるのだ。
さらに、加齢に伴うホルモンの変化や、微細な室内環境の不快感も無視できない。睡眠の質を高めるための最新アプローチとしては、就寝90分前の入浴で意図的に深部体温を上げることや、寝室の光環境をコントロールして体内時計を整える手法が実証されている。これにより、夜間の頻繁な覚醒を防ぎ、休息効果を最大化することが可能となる。