身体構造だけでなく、被毛のカラーバリエーションにも性別を判別する決定的なヒントが隠されている。生物学における遺伝学の法則を紐解くと、毛色の発現には性染色体が深く関わっていることがわかる。特に三毛猫(キャリコ)や黒黄の錆び猫は、遺伝学的な例外を除いて、そのほぼ100%がメスであるという事実は有名だ。
猫の毛色を決定づける遺伝子のうち、赤(オレンジ)の毛色を発現させる遺伝子はX染色体上にしか存在しない。メスは「XX」の性染色体を持つため、黒と赤の双方の遺伝子を保持して三毛猫になり得る。だが、オスは「XY」であるため、通常は一色の遺伝子しか持ち得ないのだ。反対に、茶トラ(オレンジタビー)の猫は圧倒的にオスの比率が高く、全体の約8割を占める。毛色を見るだけで性別を高確率で予測できるのは、自然界が描いた生命の神秘と言えるだろう。