敷地内で圧倒的な存在感を放っているのが、国の登録有形文化財でもある「窯ジウム」だ。1921年(大正10年)に建てられ、昭和40年代まで実際に土管を焼き続けていた大正建築のドゥーブ窯。中に入ると、焦げたレンガの肌触りや、かつて業火が壁を焼き尽くした黒い煤の跡がそのまま残されている。
天井を見上げると、太い木組みのトラス屋根と煙突へと続く複雑なフリュー(煙道)の構造に息をのむ。職人たちが汗を流し、日本の近代水道インフラを支える陶管をひたすら焼き上げていた時代の熱気。その泥臭くも力強い産業遺産が、照明の陰影によってドラマチックに浮かび上がっている。