彼女が子役としてその名を広めた最大の契機は、大ヒットテレビドラマ『メイちゃんの執事』での好演だった。弱冠9歳にして天才少女・麻々原みるく役を演じきり、クールな表情と卓越した演技力で大人のキャスト陣を食う勢いの存在感を発揮。セリフの間や目線の動きひとつにまで計算が行き届いた立ち振る舞いは、お茶の間に強烈なインパクトを与えた。
当時のドラマ界において、子役の役割は「作品のアクセント」や「主人公の幼少期」にとどまることが多かった。しかし彼女の演じる役柄は常にストーリーの鍵を握り、作品全体の緊張感を底上げする強度を持っていた。単なる愛らしさではなく、人間の複雑な感情を捉える本能的な才能。それが「吉田里琴」という名が業界内で特別視されていた理由だ。