『善悪の屑』の最終回は、単なる一区切りにとどまらず、続く『外道の歌』やスピンオフ作品へと物語が大きく拡張していく重要な転換点となっています。
物語のクライマックスでは、カモがなぜ復讐代行業に身を投じることになったのかという「最愛の妻と娘を惨殺された過去」の輪郭が浮き彫りになり、彼が追い続ける真の仇敵の存在が示唆されます。同時に、復讐を依頼する者・執行する者が背負う業の深さが描かれ、安易なハッピーエンドを許さない渡邊ダイスケ作品ならではの硬派な幕切れを迎えました。
この世界観をさらに押し広げたのが、裏社会で絶大な影響力を持つ巨大組織を描いたスピンオフ作品『朝食会』や、狂気の殺人鬼・園田の足跡を追う『園田の歌』です。『善悪の屑』で撒かれた不穏な種が、これらの派生作品において緻密に回収されていく構成は圧巻の一言に尽きます。