振り返れば、平成28年(西暦2016年)は日本の国家構造が大きく揺れ動いた年だった。同年8月、当時の天皇陛下であった明仁 (上皇)がビデオメッセージを通じて国民に直接お気持ちを表明。「身体の衰えを考慮し、象徴としての務めを果たしていくことが難しくなるのではないか」という痛切な吐露は、日本中に深い衝撃を与えた。
皇室のあり方を根底から揺るがすこの発表を受け、宮内庁のみならず首相官邸や内閣府は異例の対応に追われることになる。当時の安倍晋三首相は即座に有識者会議を立ち上げ、譲位に向けた特例法の整備に着手。日本の伝統的な元号・和暦の継承と改元のプロセスが、現実的な政治アジェンダとして急速に動き出した瞬間だった。