東てる美の代表作として誰もが挙げるのが、TBS系看板ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』シリーズです。彼女が演じた小島邦子は、主人公・五月(泉ピン子)の夫である勇(角野卓造)の妹であり、中華料理店「幸楽」を舞台に数々の波乱を巻き起こすトラブルメーカーでした。
遺産相続や店の経営権を巡って理不尽な要求を突きつける邦子の姿は、視聴者の強い怒りと関心を買い、放送翌日のワイドショーや世間話の定番となるほどの社会現象を巻き起こしました。
あまりのハマり役に、街を歩けば道行く人から厳しい視線を向けられたり、実生活でも意地悪な性格なのではないかと誤解されたりする苦労があったと明かされています。しかし、橋田壽賀子氏の長台詞を完璧にこなし、視聴者に強烈なリアリティを届けたその演技力こそが、ドラマを20年以上にわたる長寿番組へと押し上げた原動力でした。