東京ゲートブリッジを唯一無二の存在に仕立て上げているのが、向かい合う二頭の恐竜を彷彿とさせる「恐竜橋」の異名を持った独特のトラス構造だ。この革新的な建築デザインの背景には、数々の名建築を手掛けてきた構造家・渡辺邦夫の力学的英知と高い美意識が息づいている。
建設を手掛けた清水建設をはじめとする日本トップクラスのシビルエンジニアリング集団は、強風や巨大地震に耐えうる強度を保ちつつ、無骨になりがちな鋼鉄トラスに優美な曲線美を与えるという難題に挑んだ。海上での組み立てには、巨大なクレーン船を用いた大ブロック一括架設工法が採用され、数ミリの誤差も許されない精密な施工技術が遺憾なく発揮された。
機能性と意匠性が見事に融合したこの造形美は、世界中の構造技術者からも高く評価されており、日本の技術力とデザイン思想の極致を示す金字塔と言える。