波乱の展開を迎えているのが「2026年春闘賃上げ要求プロジェクト」だ。連合が掲げた高水準の賃上げ目標に対し、日本経済団体連合会(経団連)をはじめとする経営側の対応は複雑を極めている。大手企業を中心に好業績を背景とした満額回答の動きが見られる一方で、コスト高に喘ぐ中小企業からは「現実離れしている」との悲鳴も上がる。
厚生労働省が公表する各種統計データをみても、名目賃金の伸びが物価高に追いついていない状況は明白だ。労働・人材サービス業界の専門家たちは、「今回の大幅賃上げが中小・小規模事業者にまで波及しなければ、国内の労働市場における分断はさらに深まる」と警鐘を鳴らす。単なる数字の競い合いではなく、持続可能な賃上げ環境をどう構築するかが問われている。