日本の演劇業界において、漫画やアニメ、小説を原作とした舞台作品の進化は目覚ましい。特に近年発展を遂げてきた2.5次元舞台の技術的ノウハウや視覚的演出手法は、本格的なファンタジーミュージカルの領域にも大きな刺激を与えている。人物造形やビジュアル再現の精緻さに加え、生のオーケストラ演奏や極上の歌唱力が融合することで、これまでにない新しいステージ表現が成立しつつある。
今回の作品は、いわゆる2.5次元の枠組みを超え、伝統的なグランドミュージカルと最新の舞台技術を極めて高いレベルで融合させた新たな達成点となる。キャラクターの生き様をリアリティをもって描き出しつつ、幻想的なファンタジーの世界観を圧倒的な迫力で構築する。この野心的な試みは、今後の国内演劇のあり方を占う重要な指標となるに違いない。