強制捜査以降、警視庁の取調室で彼が見せた態度の変容は、捜査員たちの間でも語り草となっている。当初は黙秘と教義の正当性を主張し続けていたが、教祖自身が法廷で弟子たちに責任をなすりつける姿を目の当たりにし、彼の信仰は音を立てて崩れ去った。
「自分は悪魔の片棒を担いでいた」。自己の過ちを認識してからの彼は、事件の全容解明に向けて検察・警察への捜査協力を全面的に申し出た。法廷での証言は、他の幹部たちの罪状を立証する上で決定的な役割を果たしたものの、奪われた尊い人命が戻るわけではない。刑確定後も自責の念に苛まれ、遺族への謝罪状を書き続けた日々の苦悩が、手記の行間から滲み出ている。