作者の荒木氏が公言している通り、ポーズの着想源には古典的な西洋美術が深く関わっている。イタリア・ルネサンス期の彫刻作品、特にミケランジェロが表現した肉体の緊張感や、重心を片脚に寄せる「コントラポスト」の美学が根底に存在する。しかし、ジョジョのポーズを単なる古典回帰に留めないのが、20世紀初頭のオーストリアを代表する画家エゴン・シーレの影響だ。
シーレの描く身体は極端に歪み、関節は鋭く折れ曲がる。荒木氏はその歪んだラインが放つ「不安と生命力の同居」を自身の絵柄へ取り入れた。人間が持つ本来の可動域をわずかに逸脱させることで、キャラクターの感情や覚悟が生々しい立体感となって伝わってくるのだ。