あの独特な歯ごたえを生み出す帯状の食材は、ウリ科のつる性一年草であるユウガオ(夕顔)の果実を削り、乾燥させたものだ。国内における生産の9割以上を担っているのが栃木県である。真夏の太陽の下、白い大きな実をカンナで手際よくひも状に剥き、棚に干す光景は、この地域の夏の風物詩だ。
しかし、生産者の高齢化や後継者不足により、日本の伝統食品産業は厳しい局面を迎えている。こうした状況下で、栃木県干瓢商業協同組合や農林水産省は、持続可能な生産体制の構築と高品質な国産かんぴょうのブランド化に乗り出した。伝統的な手作業を守りながらも、次世代へ技法を継承するための新たな取り組みが本格化している。