利用者にとって最も体感差が大きいのが料金システムです。タクシーは車載のタクシーメーターが走行距離と走行時間を計測して算出するタクシーメーター運賃を採用しています。乗客が乗り込んでメーターが作動した地点から、降車して精算する地点までの実車区間のみが課金対象です。
一方、ハイヤーの料金算定には伝統的に車庫発車基準運賃が適用されます。これは、車両が営業所の車庫を出発した瞬間から任務を完了して車庫へ帰還するまでの全拘束時間および全走行距離を合算して計算する方式です。たとえ顧客が乗車している時間がわずか30分であったとしても、車庫からの往復回送時間を含めた料金が請求されるため、初乗り数百円で済むタクシーとは桁違いのコストが発生します。
また、ハイヤーでは一般的に「最低利用時間(2時間〜3時間以上)」が設定された時間制運賃が基本となっており、1回あたりの利用で数万円規模の支出を前提とします。ただし、羽田・成田空港など特定の主要拠点間においては、あらかじめ総額を固定化した空港送迎定額プランが広く普及しており、移動時間の長さや待機リスクを考慮した明朗会計が選ばれる要因となっています。