なぜ多くのクリニックは「5回プラン」や「10回コース」を標準として販売し続けるのでしょうか。ここには美容医療業界のビジネスモデルと、利用者の心理的バイアスが密接に関わっています。
多くのクリニックが5回や10回のセットプランを前面に出すのは、競合との価格競争において「総額表示を安く見せ、契約の心理的ハードルを下げる」ためです。医学的には「VIOの完全無毛には15回以上必要」と分かっていても、初回来院者に「15回・30万円」と提示すれば他院へ流出してしまうため、まずは「10回で自己処理がほぼ不要になる」という表現で契約を促す構図が定着しています。
利用者の側にも「認知の罠」が存在します。「10回も受けたのだから、あと1〜2回追加すればツルツルになるはずだ」というサンクコスト(埋没費用)効果に囚われ、効果の出ていない同一の機器・同一の照射プロトコルに対して漫然と追加料金を払い続けてしまうケースです。客観的に効果が頭打ちになっているなら、同じ環境でお金を投じ続ける行為は経済的合理性を欠いています。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
10回目を迎えた段階で、現状維持で追加契約を結ぶべきか、それとも施術方針を根本から見直すべきか。以下の基準に照らし合わせて現在の状況を冷静に判断してください。
【追加照射へ進んで問題ない人の条件】
- 残っている毛がごく一部(Vラインの中央やワキの数本など)に限局している。
- 現在のクリニックで熱破壊式の高出力照射が受けられており、照射ごとに確実にポロポロと抜け落ちるポップアップ現象が確認できている。
- コース契約者向けの「1回あたりの追加照射費用」が相場より大幅に安価に設定されている。
【現状での追加を避け、契約見直し・他院乗り換えを検討すべき人の条件】
- 10回終了した時点で、広範囲にわたって細い毛や産毛が密集して残っている。
- 施術中に痛みをほとんど感じず、看護師に「出力を上げてほしい」と要望しても肌トラブルを理由に断られ続けている。
- 使用機器が蓄熱式のみに限定されており、照射方式の選択権がない。
- 追加照射の1回単価が新規契約と大差なく、コストパフォーマンスが著しく悪い。