インターネット上の掲示板や知恵袋を閲覧すると、「インターホンの誤作動は電池を替えれば直る」「勝手に鳴るのはすべて電波の混信」といった情報が散見されます。しかし、これらの言説には重大な誤解が含まれています。
第一の誤解は、「どんなインターホンでも電池を替えれば復旧する」という思い込みです。昭和期や平成初期の安価なチャイム型を除き、現在日本の住宅に普及しているテレビドアホンの9割以上は、100Vの家庭用電源から直接給電されている「電源直結式」または「電源コード式」です。これらの機器にはそもそも乾電池が存在しないため、電池切れによる誤作動というロジック自体が成立しません。誤作動の原因が内部基板の結露やサビにある場合、いくら外側を清掃しても根本解決には至りません。
第二の誤解は、賃貸住宅における勝手な交換です。「音がうるさいから」「壊れたから」と自己判断で業者を呼び機器を交換してしまうと、退去時に高額な原状回復費用を請求されたり、オートロック連動システム全体に通信障害を引き起こしたりする危険があります。集合住宅のインターホンは全戸が一つの配線ネットワークで結ばれていることが多く、1室の勝手な配線変更がマンション全体のセキュリティシステムをダウンさせる事故も報告されています。賃貸や分譲マンションの場合、音のトラブルや故障の兆候があれば、まず管理会社や大家へ連絡することが鉄則です。