高校選びにおいて、偏差値や校風と同じく重視されるのが「出口戦略」である進学実績です。松蔭高校の進路指導室が公表しているデータや各大学の合格発表資料を分析すると、生徒の進学先には明瞭な傾向が浮かび上がってきます。
国公立大学への合格実績としては、地元最難関の一角である名古屋大学をはじめ、名古屋工業大学、名古屋市立大学、愛知県立大学、三重大学、岐阜大学などの東海圏主要国公立大学へ、毎年50名前後から年度によっては70名前後の合格者を輩出しています。学年定員の約15〜20%が国公立大学へ進学する構図となっており、上位2割の成績を維持し続ければ地方中枢国公立大学への現役進学が現実的な射程に入ります。
私立大学においては、地元名門私立である「南愛名中(南山大学・愛知大学・名城大学・中京大学)」への合格者が圧倒的多数を占めます。なかでも南山大学や名城大学(理工系・薬系含む)には毎年100名を超える合格実績を残しており、生徒たちの手堅い進学先として盤石の強さを見せています。さらに、首都圏のMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)や関西の関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)といった難関私大への進学者も一定数存在し、指定校推薦枠を活かした進学も盛んです。
しかし、進路指導の現場を取材すると、課題も浮き彫りになります。松蔭高校は生徒の自主性を重んじる進路指導を行うため、宿題や補習で生徒を強固に縛り付ける「管理型進学校」とは一線を画しています。その結果、学年内での学力格差が広がりやすく、目標を明確に持てないまま部活動や行事に熱中しすぎると、私立中堅校や浪人を選択せざるを得なくなる生徒も存在します。「入学後に自ら机に向かい、勉強のペースを自己管理できるか」が進路の明暗を分ける最大の要因です。