中袋へ金額を記入する際の具体的な配置レイアウトと、2024年に刷新された新紙幣(渋沢栄一札など)の包み方には、絶対に外してはならない厳格なプロトコルが存在します。
縦書きの場合の記載法と「也」の取り扱い
中袋の中央、あるいは指定の縦ラインに書く場合は、上部に「金」を冠し、少し間を空けて「壱萬円」または「壱万円」と記します。
末尾に付ける「也(なり)」の意味は、銭や厘といった端数単位が存在した時代に「これ以下の端数はありません」と証明するための終止符でした。現代の実務においては、10万円未満の金額を包む場合、「金 壱萬円」のように「也」を省略するのが一般的です。もちろん「金 壱萬円也」と書いても間違いではありませんが、過度に重々しくする必要はありません。
横書き枠が印刷されている場合の対処
近年市販されているご祝儀袋や香典袋の中には、中袋の裏面や表面に「〒」マークや住所欄とともに、あらかじめ横書きの金額記入枠(「金 円」など)が印刷されている製品が増加しています。
横書きの枠が存在する場合、大字ではなく算用数字(アラビア数字)を用いるのが現代のルールです。「¥10,000-」あるいは「金 10,000 円」と明確に数字を記入します。横書きの狭いスペースに無理やり「壱萬」と詰め込むと極めて読みにくくなり、事務処理上のミスを誘発します。印刷されたレイアウトの意図に従うことがスマートな大人の選択です。
新紙幣(渋沢栄一札)の向きと慶弔の使い分け
新紙幣を包む際は、慶事(お祝い)と弔事(お悔やみ)でお札の表裏と上下を厳密に使い分ける必要があります。
- 結婚祝い・慶事:新紙幣の肖像画(渋沢栄一の顔)が表側(封筒の正面)を向き、かつ肖像画が封筒の上部に来るように揃えて入れます。「顔を見せて喜びを表す」「新札(ピン札)を用意して前々から楽しみに待っていた気持ちを伝える」という意味が込められます。
- 香典・弔事:肖像画が裏側(封筒の背面)を向き、かつ肖像画が封筒の下部(底側)に来るように入れます。「悲しみに顔を伏せる」「突然の訃報に驚いて急いで駆けつけた」ことを示すため、折り目のない新札をそのまま入れるのは避け、新札しかない場合はあらかじめ中央に一度折り目を入れてから包むのが古くからの作法です。