名作ドラマ『代表取締役刑事』が再放送されない噂の真相から、舘ひろしさんや渡哲也さんら豪華キャストの現在、ファン熱望の三菱劇中車秘話、配信状況まで順を追ってひも解いていきます。長年にわたりインターネット上の掲示板やSNSで「『代表取締役刑事』は諸事情でお蔵入りになっているのではないか」という憶測が飛び交ってきました。
番組の基本データを振り返ると、本作は1990年10月7日から1991年9月29日まで、テレビ朝日系列で毎週日曜20:00〜20:54に全45話が放送されました。長らく地上波での再放送が途絶え、ソフト化も遅れていたため、「出演者の不祥事やトラブルが原因で再放送禁止になった」という噂がまことしやかに語られた経緯があります。とりわけ、劇中で重要な役どころを演じた一部キャストの私生活における報道や、早逝した俳優陣の存在が、そうした都市伝説に拍車をかけました。
しかし、放送業界および著作権管理の実務データから検証すると、再放送が少なかった本当の理由は「不祥事による封印」ではなく、劇中使用楽曲の権利処理とテレビ局の編成構造の変化にあります。本作はヒューマンドラマ路線を徹底したため、各エピソードの演出として当時の歌謡曲や洋楽、多彩な劇伴音楽がふんだんに使用されていました。旧・石原プロモーションが原盤権を厳格に管理していた時代には、二次利用に伴う音楽著作権および隣接権のクリアランスに莫大なコストと手間が生じていたのです。
さらに、2000年代以降の地上波テレビ各局は午後のドラマ再放送枠を大幅に縮小し、自局制作の最新ドラマの宣伝枠や情報番組へと置き換えました。結果として、1990年代以前の外部プロダクション制作ドラマ全般が地上波から姿を消すことになりました。
この状況が一変したのが、2021年1月の石原プロモーション解散に伴う映像資産の権利移管です。石原裕次郎さんの遺志を継ぐ形で設立された石原音楽出版社やポニーキャニオンなどの関係各社がアーカイブ整備を進めた結果、念願の『代表取締役刑事 セレクション BOX』(DVD-BOX)が発売され、デジタルリマスター化が実現しました。
2026年現在における配信動画の最新状況は極めて充実しています。動画配信サービスの公式ラインナップを確認すると、U-NEXT(31日間無料トライアル対象)およびフジテレビ系のFODにて、第1話から最終第45話まで全話が見放題で配信されています。また、CS放送の「ホームドラマチャンネル」や「チャンネルNECO」でも定期的に一挙放送が組まれており、DVDをレンタルすることなく高画質な映像でいつでも視聴できる環境が整っています。