検索窓に施設名を入力すると浮上する「経営交代」「身売り」といった不穏なキーワード。これらは単なる事実無根の噂ではなく、実際に起きた経営体制の変更に端を発しています。南房総の観光シーンを長年牽引してきた同ホテルですが、2022年3月、旧ホテル三日月グループ(株式会社勝浦ホテル三日月)は、勝浦および鴨川の拠点を全国でホテル網を展開する「HMIホテルグループ(ホテルマネージメントインターナショナル株式会社)」へ事業譲渡しました。
この勝浦ホテル三日月の経営交代の理由として挙げられるのは、コロナ禍による団体旅行需要の急減と、木更津(龍宮城スパホテル三日月)や鬼怒川への経営資源の選択と集中です。大型スパリゾートの維持・改修には莫大な維持管理コストがかかります。創業家を中心とする旧グループがフラッグシップ拠点へ注力する一方、全国展開のスケールメリットと運営受託ノウハウを持つHMIグループが経営基盤を引き継ぎ、新たな屋号「三日月シーパークホテル勝浦」としてリスタートを切ったというのが事の真相です。
ネット上では「別会社になってサービスが劣化したのではないか」との臆測も散見されますが、勝浦ホテル三日月の現在を調査すると、看板設備である「アクアパレス」や地上40メートルの展望風呂、バイキング形式の基本コンセプトはそのまま維持・継承されています。外資系ファンドによる機械的なコストカットではなく、国内有数のホテルグループによる事業再生型の引き継ぎが行われたため、現場の接客スタッフや地元雇用も多くが守られています。