ネット上の情報まとめや掲示板などで頻繁に見受けられるのが、「メーテルは中身が完全なネジや歯車でできたアンドロイドである」という説です。これは、母星を支える部品にされた人間たちのエピソードと混同された典型的な誤認といえます。
メーテル 正体 機械の体疑惑に対する真実は、「他人の生身の肉体を精神の器として借り受け、老いるたびに新しい肉体へと移し替えている存在」です。作中で暗示される通り、彼女の身体はかつて鉄郎の母親であった星野加奈江の若き日のクローン(または写し身)であり、鉄郎が彼女に強い懐かしさと母性を感じていたのも血縁的な既視感によるものでした。
永遠の命を手に入れるために精神だけを生き永らえさせ、抜け殻となった生身の器を乗り換え続ける――それは機械の体以上に残酷で、深い業を背負った設定でした。劇場版 銀河鉄道999 メーテル ラストで彼女が鉄郎に告げた「私は、あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影」という別れの言葉は、定まったひとつの肉体に縛られることのできない、流浪の魂そのものを言い表していたのです。
【プロの結論】作品を見直す際のおすすめ鑑賞ルート
これから『銀河鉄道999』の深淵な設定に触れ直したいファンに向けて、目的別の鑑賞アプローチを提案します。
【おすすめできる鑑賞ルート】
まずは1979年の劇場版第1作、続いて1981年の『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』を鑑賞することをおすすめします。映像美と演出の頂点であり、コートを脱いだ彼女の儚さや、母プロメシュームとの対峙が最もドラマチックに整理されています。
【慎重に向き合うべきルート】
TVアニメ版全113話を最初から順に追う方法は、日常回や単発エピソードが多いため、設定の真相だけを手早く知りたい方にはやや長大すぎます。じっくりとメーテルの表情の変化や旅情、各地での脱衣・入浴エピソードを隅々まで味わいたい熱心な愛好家向けです。