インターネット上の掲示板やSNSでは「旧帝大なら文系理系を問わず無敵」「早慶と地方旧帝大文系なら旧帝大を選ぶのが正解」といった論説が飛び交っています。しかし、社会構造の変化をつぶさに観察すると、ここには重大な認識のズレが潜んでいます。
最大の盲点は、旧帝大文系理系の難易度比較と就活市場における需給バランスの乖離です。国が「科学技術立国」の再興を掲げ、科研費や企業との共同研究資金の9割以上を理系分野に集中配分している現在、地方旧帝大の文系学部は予算・定員の両面で守勢に立たされています。
就職活動の現場において、地方旧帝大の理系院生は教授推薦や大手メーカーの技術系マッチングルートによって、東京へ赴くことなく内定を勝ち取ることができます。これに対し、地方旧帝大の文系学生は、総合職採用の主戦場である東京の企業と対峙しなければなりません。
慶應義塾大学や早稲田大学の文系学生が大学1〜2年次から都内の長期インターンに参加し、OB・OGネットワークを駆使して早期内定を獲得していく中、地方旧帝大文系生は情報量と地理的アクセスの面で不利を強いられる場面が増加しています。「入試難易度(5教科7〜8科目)の割に、東京での文系就職において早慶と同等以上の果実を得にくい」という現実は、志望校決定前に知っておくべき決定的な構造要因です。