アート巡りの行程において、長崎市歴史文化博物館の存在を外すことはできない。かつて長崎奉行所立山役所があった歴史的敷地に建ち、長崎が歩んできた波乱万丈の海外交流史を色濃く伝えている。南蛮貿易時代の屏風絵や絵踏に関する貴重な資料、出島を経由して輸入された西欧の工芸品など、歴史の深みに触れられる展示群は圧迫感すら覚えるほどのリアリティだ。
特筆すべきは、歴史展示にとどまらず、地元ゆかりの作家によるアート展や体験型ワークショップを積極的に開催している点だ。過去の遺産をただ保護するだけでなく、現代の創作活動へといかに接続するか。温故知新の試みが、この博物館を生き生きとした文化の発信地に変えている。