世界の美食基準を牽引するミシュランガイド・グリーンスターの導入は、レストランの評価軸を決定的に変えた。味の良さや洗練されたサービスだけでなく、食材の調達ルート、食品ロスの削減、生ごみの堆肥化といった循環への配慮が、超一流店たる必須条件となったのだ。
この潮流の先駆者として世界から称賛を浴びるのが、東京・南青山「NARISAWA」の成澤由浩シェフである。日本の里山文化を皿の上に再構築し、森の土や樹液、無農薬の野草をガストロノミーの領域へと昇華させた彼の料理は、サステナブル・ガストロノミーという概念を世界中に決定づけた。自然を搾取して人間が消費するのではなく、食すことで自然環境の再生に寄与する。テーブルの上で繰り広げられるのは、地球環境と共鳴する美しき対話だ。