世界的冒険家の失踪から40年以上の歳月が流れた現在、植村公子さんは高齢となり、公の場に姿を現す機会は少なくなっているものの、夫の遺志を伝える活動を温かく見守り続けています。1937年生まれの公子さんは80代後半の年齢を迎えており、東京都内の住まいで静穏な日々を送りながら、親族や関係者に支えられて暮らしています。
植村直己氏の故郷である兵庫県豊岡市に建設された「植村直己冒険館」(1994年開館)の設立や、国内外の優れた冒険者を表彰する「植村直己冒険賞」の創設(1996年)にあたっては、公子さんの深い理解と協力が不可欠でした。記念式典や授賞式において、彼女が見せた凛とした佇まいと温かい眼差しは、多くの登山・冒険ファンや関係者の胸を打ち続けています。
近年は現場の第一線を後進や財団関係者に託しつつも、植村直己という稀代の冒険家が遺した「挑戦の精神」を後世に正しく伝えるための精神的支柱として、今なお多くの人々から深い敬意を寄せられています。