インターネット上では、ウェアハウス江南店の閉店理由について様々な憶測が飛び交いました。しかし、業界動向や関係各所の発表資料を俯瞰すると、単一のトラブルではなくゲームセンター産業を取り巻く構造的な地殻変動が決定的要因であったことが浮き彫りになります。
第一の要因は、店舗運営コストの急激な上昇と収益構造の変化です。ゲームセンターの主力を支えていた大型ビデオゲームやレトロ筐体、大型マスメダルゲームは、消費電力の大きさに加えて専用基板やモニターの経年劣化が避けられません。特にブラウン管モニターの生産終了や修理用電子部品の調達難は、2010年代後半から2020年代にかけて全国のオペレーターを直撃しました。
第二の要因として、アミューズメント業界全体の「プライズ(クレーンゲーム)特化型」への転換が挙げられます。日本アミューズメント産業協会(JAIA)等の業界推移を見ても明らかなように、現代の大型アミューズメント施設は売上の7割以上をクレーンゲームなどの景品獲得マシンに依存しています。ビデオゲームやメダルゲームを中心とした「滞在型・コミュニティ型」のビジネスモデルは、坪効率や投下資本回収の面で厳しい選択を迫られることとなりました。
親会社であるゲオホールディングスによる事業ポートフォリオの見直しや拠点集約の戦略も重なり、惜しまれつつもその歴史に幕を下ろす判断が下されたというのが実態です。