映画ドラえもんの興行成績は、2000年代半ばと2010年代半ばに大きな転換期を迎えた。1980年代後半の黄金期には配給収入で20億円前後(現在の興行収入換算で30〜40億円規模)を維持していたが、2000年代初頭には一時的な伸び悩みを見せた。この局面を打開したのが、2006年の「声優陣・スタッフ一新」とそれに伴う名作のリメイク路線だ。
『新・のび太の恐竜2006』を皮切りにスタートした水田わさび版映画は、作画の躍動感と現代的なテンポ感を導入し、興行収入30億円台を安定して叩き出すベースを作った。さらに2014年、シリーズ初の3DCG作品『STAND BY ME ドラえもん』が興行収入83.8億円という規格外の大ヒットを記録。「大人の涙腺を刺激するドラえもん」という新たなブランディングを確立し、映画館の客層を全世代へと一気に拡大させた。