数年前まで、洗顔時やメイク中に前髪を固定するためのクリップを付けたまま外出するなど、マナー違反か無頓着の象徴とみなされていた。しかし、その常識は呆気なく崩れ去った。きっかけは、K-POPアーティストやSNSインフルエンサーたちが、楽屋裏のオフショットや移動中の日常動画で「クリップを付けた素の姿」を惜しげもなく披露し始めたことだ。
「ありのままの自分」を魅せるY2Kカルチャーや平成レトロの再解釈と相まって、髪留めは「生活感の露呈」から「抜け感のあるスタイリング」へと意味合いを180度転換させた。今や、あえてクリップを付けたままカフェでくつろぎ、ストリートスナップに応じる姿は、都市の景観の一部として完全に定着している。