ロックやポップス、ファンクなどのベースラインには、音に多彩な表情をつけるためのテクニックが多用されます。譜面に出てくるベースのタブ譜記号一覧を把握しておけば、表現力豊かなプレイが迷わず再現可能です。
1. スラップ奏法の記号
・「T」(Thumb):親指で弦を叩くサムピング
・「P」(Pluck):人差し指や中指で弦を引っ張って弾くプル
TAB譜の数字の上下に「T」や「P」が並んでいれば、親指と人差し指を交互に使うアグレッシブなスラップフレーズを意味します。
2. スライドとグリッサンドの違い
・「sl.」または「/」「\」(スライド):あるフレットを弾いた後、指を弦につけたまま目標のフレットまで滑らせる奏法。
・「gliss.」または「波線」(グリッサンド):特定の終着フレットを厳密に決めず、長い距離を滑らかに滑らせて効果音的なうねりを作る奏法。
スライドとグリスの違いは、「到着地点の音程が明確に決まっているか(スライド)」、「音程の移動そのものをニュアンスとして聴かせるか(グリス)」にあります。
3. ハンマリングとプリング
・「H」(ハンマリング・オン):ピッキングした音を伸ばしたまま、別の指で目標フレットを強く叩きつけて次の音を鳴らす。
・「P」(プリング・オフ):押さえている指を引っ掛けるように離し、低いポジションの音を鳴らす。
譜面上では「5 ⌒ 7」のように弧(スラー)で結ばれ、上に「H」や「P」が併記されます。ピッキングは最初の1音目だけ行うのが鉄則です。
4. ゴーストノートと装飾記号
・「×」(ゴーストノート):弦を押さえ込まず指を軽く触れた状態でピッキングし、「ツッ」「ボッ」という音程感のないパーカッシブなアタック音を出すテクニック。
・「cho.」「C」または「上向き矢印」(チョーキング):押さえた弦を持ち上げて音程を上げる(ベースでは半音上げる「Half」や微妙に上げる「Quarter」が主流)。
・「vib.」または「小刻みな波線」(ビブラート):指を揺らして音程を細かく震わせ、音に余韻と太さを加える。