ネット検索で「フリー素材」と銘打たれていれば、どのような商用プロジェクトに流用しても問題ないと誤解されがちです。しかし、野球道具イラスト商用利用をめぐる法的トラブルは、近年ますます複雑化しています。最大の落とし穴は、イラスト制作者が善意で配布していても、その描画対象が「大手スポーツメーカーの意匠や登録商標を無断トレースしている」ケースです。
例えば、グラブの手首部分にある特徴的なラベル(ミズノのランバードマークやローリングスのロゴなど)をそのまま模写したイラストは、商標権の侵害に問われる恐れがあります。さらに、バットの特定カラーリングやキャッチャー防具のフレーム形状など、特定のメーカーが特許や意匠権で保護しているプロダクトデザインを忠実に再現したイラストを商品化(ステッカーやTシャツなど)して販売した場合、不正競争防止法上のトラブルに発展するリスクを孕んでいます。
また、2026年現在急速に普及している画像生成AIを用いて出力された素材についても、学習元データに特定ブランドのプロパティが過度に含まれていた場合、プラットフォームの商用補償対象外となるケースが存在します。「著作権フリー」は「第三者のあらゆる知的財産権がクリアされていること」を意味しないという法的前提を、デザイナーおよび発注側は肝に銘じる必要があります。