専業主婦の母親と、サラリーマンの父親。郊外の一戸建てに住み、ペットや居候がいる暮らし。昭和後期から平成にかけて構築された「一般的な日本の家族」のテンプレートが、この両作のベースにある。しかし、共働き世帯がマジョリティとなり、多様な家族のあり方が認められる2026年現在、この設定は古臭く見えないのだろうか。
答えは否だ。むしろ、今や失われつつある「地域社会との繋がり」や「お節介な大人たちとの交流」が描かれることで、ファンタジーとしての温かみが際立っている。現実の家族像が希薄化する中で、画面の中の「騒がしくも温かい家庭」は、一種の理想郷として機能し続けているのだ。