時透無一郎の鍔を特徴づけているのは、複数の四角形が重なり合った、一見するとシンプル極まりない幾何学模様だ。しかし、このデザインには深い意味がある。霞柱という彼の称号が示す通り、立ち込める「霞」や「霧」が幾重にも重なり、先が見通せない様子を視覚的に表現したものだ。
デザインの調和をとるのが極めて難しい。少しでも線の太さや角度が狂えば、安っぽいおもちゃに見えてしまう。重なり合う隙間の絶妙なバランスこそが、無一郎というキャラクターの繊細さと、どこか掴みどころのない浮世離れした雰囲気を醸し出しているのだ。