母・良子さんは十数年にわたる事実婚状態を経て、2012年、プロゴルファーの尾崎建夫(ジェット尾崎)氏と再婚した。長い苦難の果てにようやく掴んだ幸せに見えたが、家族の足並みは揃っていなかった。
当時20歳を過ぎていた杏里にとって、突然「父親」として法的に迎え入れられた尾崎氏との関係構築は容易ではなかった。実父である田山氏の不在、母の過酷な献身、そして新たな継父の登場。複雑に入り組んだ家庭環境の中で、彼女の孤独は癒やされるどころか、居場所を失う感覚へと変わっていった。
そして再婚からわずか数カ月後、悲劇が訪れる。良子さんが横行結腸癌と肺炎のため、55歳の若さで急逝したのだ。唯一の絶対的な防波堤だった母を失った瞬間、杏里の精神的支柱は完全に折れてしまった。