ネット上の情報や体験談には、医学的根拠を欠いた危険な誤解が散見されます。特に注意すべき典型的な誤謬を是正します。
代表的な誤解が「下痢が止まらない時は市販の強力な下痢止めを即座に飲むべき」という判断です。仮に軽微なウイルス感染が混在していた場合、強力な止瀉薬(ししゃやく)で腸の運動を止めてしまうと、毒素や病原体が体内に長期間滞留し、病状を悪化させるリスクがあります。また、ストレス性の場合でも腸管内圧が不自然に高まり、かえって激しい腹痛を引き起こす事例が報告されています。
さらに「胃痛には牛乳を飲めば胃粘膜が保護されて治る」という俗説も危険です。急性期の弱った胃腸に脂肪分を投入すると、消化のためにかえって胃酸分泌が促進され、症状を増悪させることがあります。自己流の民間療法に頼るのではなく、適切な薬理作用を持つ薬剤と身体を休める処置を選択する必要があります。