胸を開かない僧帽弁治療の真実:後悔なき選択と名医を見極める鍵

胸を開かない僧帽弁治療の真実:後悔なき選択と名医を見極める鍵

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「心臓手術=胸を真っ二つに開く」という旧来のイメージは、低侵襲心臓手術(MICS)の普及によって過去のものとなりつつある。右の肋骨の間を4〜7センチほど小さく切開し、内視鏡や専用のロングシャフト器具を用いて患部へと到達するこの術式は、骨を切除・切開しない。

胸骨を温存できる意味は大きい。術後の骨癒合を待つ必要がないため、胸部の激しい痛みが大幅に軽減され、呼吸機能の回復も早い。従来の手術では退院までに3週間前後を要し、重い荷物を持てるようになるまで2〜3カ月かかっていたが、MICSであれば術後1週間足らずで退院し、早期の社会復帰を果たす患者も珍しくない。手術創が右胸の脇に隠れるため、整容面での心理的ストレスが少ないことも特筆すべき点だ。

近年では手術支援ロボット(ダ・ヴィンチ)を用いた術式を導入する施設も増加している。ロボットアームの高精度な関節可動域と立体的な高精細3Dカメラによって、狭い胸腔内でもミリ単位の精緻な弁形成が可能になった。ただし、術者の熟練度や血管の状態(動脈硬化の程度)によっては安全性を最優先して従来の開胸手術が選ばれる場合もあり、適応の見極めが極めて重要となる。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。