関西の夏の風物詩として半世紀以上親しまれてきた「教祖祭PL花火芸術」。最後の数十秒間に数千発の白菊が一斉に炸裂し、夜空一面が閃光で昼間のように明るくなるフィナーレは、全国の花火ファンを熱狂させてきました。しかし、2020年以降、この巨大花火は打ち上げられていません。
表向きのPL花火芸術の中止理由は、当初2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う安全確保とされていました。しかし、コロナ禍が完全に収束した2023年、2024年、2025年、そして2026年に至っても再開のアナウンスは一切行われていません。中止が長期化している本当の理由は、感染症対策ではなく教団の深刻な財政破綻と警備負担の限界です。
関係資料および報道各社の試算によると、かつてのPL花火は教団が自腹で1回あたり数億円の費用を投入していました。これには花火玉そのものの費用だけでなく、数十万人の観客を誘導するための警備員数千人の配備費用、富田林署や近鉄鉄道など関係機関との調整費用が含まれます。明石歩道橋事故以降、群衆警備の基準が劇的に厳格化され、警備安全管理費は年を追うごとに跳ね上がっていました。
かつては信者からの「花火奉納金」で潤沢に賄われていたこの予算が、信者激減によって完全に枯渇。外部の協賛金や自治体の補助金を受け入れず「教祖を讃える宗教行事」として独自開催してきたPL花火にとって、赤字を補填する手段はありません。地元商工会などから教祖祭PL花火芸術の復活を望む声は根強く上がっているものの、教団側が巨額の自己資金を捻出できない以上、復活の可能性は極めてゼロに近いというのが興行関係者の冷徹な見立てです。