2004年に米ラスベガスで結成されたPanic! At The Discoは、ポップ・パンクの旗手として鮮烈なデビューを飾りました。しかし、音楽性の不一致やプレッシャーから主要メンバーが次々と脱退。最終的にバンドはブレンドン・ユーリーの単独ソロ・プロジェクトへと姿を変えることになります。
自著や当時の欧米メディアの特番インタビューにおいて、ブレンドンは本作が誕生した2018年当時の心境を赤裸々に明かしています。「初期の成功にしがみつく周囲の目線と、一人でバンドを背負い続ける重圧に押し潰されそうだった」と述懐。ロサンゼルスの小さなスタジオで、数え切れないほどのデモテープをボツにしながら、15年間蓄積された葛藤をすべて注ぎ込んで完成させたのがアルバム『Pray for the Wicked』であり、そのリードトラックが『High Hopes』でした。
MV(ミュージックビデオ)でブレンドンがロサンゼルスの超高層ビルの垂直な壁を自らの足で歩いて登っていく演出は、物理的な不可能を可能に変える彼のキャリアそのものの比喩として世界中で絶賛されました。