現在取り締まりの対象となっている違法エステの手口は、大きく2つの類型に分かれます。一つは健全なアロママッサージを謳いながら実態は性風俗店として稼働する「裏風俗型」、もう一つは法的な資格を持たずに人体への侵襲行為を行う「無資格医療型」です。
第一の類型であるメンズエステ摘発事例の多くでは、風営法違反の疑い(無届営業、禁止区域営業、性的役務の提供)が直接的な運営者の逮捕理由となります。Webサイト上では「健全店」「一切の性的サービスはありません」「鼠径部への施術は行いません」と厳格な規約を掲げつつ、密室の施術室に入った段階でセラピストから追加料金(チップ)と引き換えに過激なサービスを持ちかけるシステムが構築されています。経営側は「セラピストが勝手にやった暴走」と言い逃れを図るものの、マニュアルの押収や内偵時の隠しカメラ・音声データによって組織的指示が暴かれ、経営者および店長が逮捕される結末を迎えています。
第二の類型で深刻な被害を生んでいるのが、医師法違反アートメイクやあはき法違反(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律違反)を犯す無資格マッサージ店です。厚生労働省が繰り返し通知を出している通り、針を用いて皮膚に色素を注入するアートメイクや、高出力レーザー・高密度焦点式超音波(HIFU)による皮下組織の破壊は医師免許を要する医行為です。これらを「韓国式最新エステ」「小顔痩身トリートメント」などと称して無資格のエステティシャンが行い、角膜損傷、神経麻痺、皮膚壊死などの重大事故を引き起こす事例が後を絶ちません。
また、無資格者が「本格整体」「メディカルリンパマッサージ」と銘打ち、医学的知見に基づかない強引な頚椎・腰椎への施術を行って重篤な後遺障害を負わせる事案も、あはき法第1条および第12条違反として厳正な刑事処分の対象となっています。