画家ラッセンの現在と絵画の資産価値|バブルの熱狂と評価の真相

画家ラッセンの現在と絵画の資産価値|バブルの熱狂と評価の真相

画家ラッセンの現在と絵画の資産価値|バブルの熱狂と評価の真相の基本情報から最新動向までを徹底的にカバーしました。

日本におけるラッセン人気の火付け役となったのは、アートディーラー企業であるアールビバンをはじめとする販売代理店による革新的なマーケティング戦略でした。1980年代末から1990年代初頭のバブル期、駅前の一等地やファッションビルで無料の展示会を開催し、ポストカードの配布やアンケートをきっかけに若年層を特設ブースへ誘導する手法が全国で展開されました。

当時の日本はリゾートブームの絶頂期であり、都市生活に疲れた若者や新社会人にとって、ラッセンの描く「美しく透明な海とイルカ」は手の届く理想郷として強烈に映りました。数千円のポスターでは満足できない購買層に対し、「限定エディションナンバー入りの高級版画」という付加価値を付け、月々数千円から1万円程度の長期分割ローン(クレジット契約)を提示することで、20代前後の若者が50万円から150万円を超える高額作品を次々と契約していったのです。

この販売手法は、のちに街頭勧誘(いわゆるエウリアン商法)として社会的批判を浴びる要因にもなりましたが、大衆心理のツボを突いた巧みなプロモーションが、日本独自の「ラッセン現象」を構築したことは紛れもない事実です。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。