グランメール山海荘が旅行業界や温泉愛好家から極めて高い評価を受け続けている最大の要因は、その類まれなる泉質にあります。同館が引湯する鰺ヶ沢温泉は、地中深くに閉じ込められていたおよそ30万年前の海水が地熱によって温められて湧出する「化石海水温泉」です。
泉質分類としてはナトリウム-塩化物強塩泉に該当し、湯に浸かると微かな塩分と独特の地層の香りが漂います。この高濃度の塩分が肌表面の皮脂膜と反応して薄いコーティングを形成するため、入浴後の水分の蒸発を防ぎ、抜群の保湿・保温効果を発揮します。「熱の湯」「温まりの湯」と称される所以であり、厳冬期の北東北にあっても湯冷めしにくい極上のコンディションを保ちます。
大浴場および併設された露天風呂「風の抄」からの眺望は、この宿のハイライトです。目の前には遮るもののない日本海の大海原が広がり、夕暮れ時には水平線を茜色から深い藍色へと染め上げるドラマチックなサンセットを湯船から一望できます。天候や季節によって、波しぶきの豪快な音に包まれる日もあれば、凪いだ海に沈む夕陽を静寂の中で見届ける日もあり、自然のダイナミズムを五感で味わうことができます。
なお、同館では日帰り入浴の受け入れも行っており、五能線沿線の観光客や地元住民の保養拠点としても重宝されています。ただし、宿泊客の混雑緩和を目的として日帰り利用可能な時間帯(おおむね正午から夕方前まで)や利用料金が厳密に設定されているため、立ち寄りを計画する際は事前に公式インフォメーションでの確認が欠かせません。