数々のスキャンダルに塗れながらも、今井メロという人間の根底に眠るアスリートの魂が完全に消え去ることはありませんでした。その事実を世界に見せつけたのが、2017年3月に行われた全日本スキー選手権のハーフパイプ種目でした。
約10年近い本格的なブランクがあり、事前練習はわずか数日という絶望的な条件の下、大会にエントリーした彼女は、全盛期を彷彿とさせる鮮やかなエアを連発。並み居る現役の若手選手を退け、なんとぶっちぎりのスコアで電撃優勝を飾ったのです。
この奇跡的なカムバックは、単なる美談にとどまらず、彼女の天性のライディングセンスとスノーボードへの純粋な情熱を証明しました。どんなに私生活が荒れ狂おうと、雪のパイプに立った瞬間の輝きは本物だった。この優勝が、彼女自身が自らの誇りを取り戻す決定的な契機となりました。