順風満帆に見えたキャリアの最中、悲劇が襲います。2005年1月、定期検診をきっかけに急性骨髄性白血病と診断され、緊急入院を余儀なくされました。当時37歳。舞台『クラウディア』などの出演を控えていた中での無念の休養宣言でした。
無菌室での過酷な抗がん剤治療や臍帯血移植に耐えながらも、彼女は決して希望を捨てませんでした。病室のベッドの上でもボイストレーニングを継続し、お見舞いに訪れた関係者や医療従事者を励ますために歌を口ずさんでいたエピソードは広く知られています。病床からファンに向けて吹き込まれたボイスメッセージや、病院の簡易レコーダーで録音された『アメイジング・グレイス』のアカペラ音源は、聴く者すべての涙を誘う純粋な祈りに満ちていました。