ファンの間でリョータと彩子の関係性を語る上で外せない最重要ピースが、1998年に『週刊少年ジャンプ』および『ヤングジャンプ』に掲載された井上雄彦氏の短編読切『ピアス』です。
この作品では、小学6年生の少年「りょうた」と少女「あやこ」の出会いが描かれています。りょうたは海辺の秘密基地(洞窟)に隠れ住むように過ごしており、兄を海で亡くしたトラウマを抱えていました。一方のあやこは、母親が捨てたピアスを拾い、自らの耳に穴を開けようとしてりょうたと出会います。りょうたがあやこの耳にピアスを開け、あやこがりょうたの左耳にピアスを開けるという、痛みを分かち合う象徴的なシーンが描かれました。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』で宮城リョータの故郷が沖縄であることや、亡き兄・ソータの存在、秘密基地の洞窟といった『ピアス』の設定が色濃く本編に統合されたことで、「二人は実は幼馴染だったのではないか」という考察が決定的なものとなりました。作中でお互いが幼少期の出会いに気づいているのかは明言されていませんが、二人の間にある見えない糸を感じさせる重要な背景です。