2009年にTBSテレビへアナウンサーとして入社した田中みな実は、情報番組『サンデー・ジャポン』への出演をきっかけに、日本中へその名をとどろかせます。両手を頬に当てて小首をかしげる仕草や、「みな実はぁ〜」と甘えた声で語りかける独特の語り口は、瞬く間に番組の名物となりました。
しかし、その代償は小さくありませんでした。週刊誌や情報番組の「嫌いな女子アナランキング」では毎年のように上位へ名を連ね、世の女性視聴者からは「あざとい」「同性に嫌われる典型」と痛烈な批判を浴びる日々が続きます。
当時の特番インタビューや自著・手記で本人が明かしたところによると、あのキャラクターは番組の制作意図を完璧に汲み取った「徹底的な役割遂行」でした。生放送の現場において、求められるヒール(悪役)としての役割を120パーセントで演じきるプロ意識の裏側で、私生活では激しいプレッシャーと孤独に苛まれ、過度な体重減少や肌荒れに苦しんでいた時期もあったと吐露されています。テレビ画面で見せる完璧な笑顔の裏には、自尊心を削りながら役割を全うする職業人としての葛藤が張り詰めていました。