生物分類学上、両者はともに哺乳綱齧歯目リス科に属する近縁種です。硬い樹皮や木の実をかじり割る発達した切歯(前歯)を持ち、樹上での生活に適応した鉤爪を備えている点は共通しています。
しかし、属レベルでは明確に分岐しています。
- ムササビ:ムササビ属(Petaurista)に属し、アジアの温帯から熱帯にかけて大型化を遂げた系統。
- モモンガ:モモンガ属(Pteromys)に属し、北方系の針葉樹林や冷温帯林に適応して小型軽量化を維持した系統。
同じリス科の齧歯類でありながら、滑空という共通の移動手段(収斂進化)を獲得する過程で、大型化して力強い長距離滑空を選んだムササビと、小型化して身軽な樹間移動と省エネルギーを選んだモモンガという、対照的な生存戦略を確立したのです。