海底トンネルはどう作る?沈埋・シールド工法の全貌と水没しない理由

海底トンネルはどう作る?沈埋・シールド工法の全貌と水没しない理由

海底トンネルはどう作る?沈埋・シールド工法の全貌と水没しない理由の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

今日の実用化された海底トンネル技術は、先人たちが直面した未曾有の危機と、それを乗り越えた技術革新の歴史そのものです。

東京湾アクアライン工事の経緯と巨大シールド

1997年に開通した東京湾アクアライン(約9.5kmのトンネル部)は、当時の世界の土木技術を結集した国家プロジェクトでした。羽田沖の軟弱なシルト層を水深約60メートルで掘削するため、外径約14.14メートルという当時世界最大の泥水式シールドマシンが計8機投入されました。

川崎側の浮島と海上に建設された人工島「風の塔(川崎人工島)」からそれぞれマシンを発進させ、海底の泥の中で正面衝突することなく、わずか数センチの誤差で精密に地中接合(海底下でのシールドマシン同士のドッキング)を成功させました。超高水圧に耐える海底シールドマシンの構造詳細として、面板カッタービットの自動摩耗検知機構や、水密性を保持する三重のテールシールブラシなど、日本の精緻な製造技術が極限環境で遺憾なく発揮された瞬間でした。

青函トンネル建設の歴史と技術|出水事故との死闘

津軽海峡を越える全長53.85km(うち海底下23.3km)の青函トンネルは、構想から24年の歳月をかけて1988年に開業しました。当時の現場手記や記録映像には、海底の断層破砕帯に遭遇した際、毎分数十トン規模の海水が高圧で噴き出す戦慄の現場が克明に記されています。

作業員が足を取られ、トンネル坑道が海水で埋まりかける大出水事故を幾度も経験しながら、技術者たちは「水抜き先進導坑」を先行させて水圧を逃がし、岩盤の割れ目に水ガラス系や超微粒子セメントなどの注入材を高圧注入して人工的に岩盤を固める「グラウチング止水注入工法」を編み出しました。泥にまみれた昭和の男たちの不屈の執念が、近代土木工学の止水技術を飛躍的に進化させたのです。

ユーロトンネル貫通の技術|英仏をつないだレーザー測量

1994年に開通したドーバー海峡を横断するユーロトンネル(約50.5km)では、イギリス側とフランス側の両端からそれぞれシールドマシンを発進させ、海底下で出会う「貫通ドッキング」が行われました。地中レーザー測量と衛星測位(GPS)を組み合わせ、海底下40メートルの暗闇の中で突き合わされた両国のトンネルのズレはわずか数センチ。まさに現代工学の精確さを世界に知らしめた歴史的快挙でした。

森 瞳
著者

森 瞳

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