深夜の都内某ホテル。息を潜めるようにして現れた大手映画配給会社のプロデューサーは、周囲を警戒しながら重い口を開いた。「表向きはスケジュールの都合と発表されていますが、実際はまったく違う。巨額の製作費を巡る契約交渉が土壇場で決裂したんです」。
関係者から入手した内部資料によると、当初予定されていた予算規模は邦画のアベレージを遥かに凌駕する数十億円規模。しかし、権利処理の主導権を誰が握るのかという決定的な対立軸において、旧来の邦画メジャーと新興勢力の溝は最後まで埋まらなかった。決定打となったのは、海外配信における独占権と二次利用収益の配分比率だったという。